《加持・祈祷》(かじ・きとう)
巫女、密教僧、修験者などが神仏の力を頼んで、病気や憑物を祓ったり、戦などの勝利、無事を祈る宗教行事。
【いたこ】 東北地方で、口寄をする巫女をいう。(『広辞苑』第二版)
青森県下北半島恐山の「いたこ」が有名。巫女がトランス状態となり、死者の霊が巫女にのりうつり、巫女の口を通して依頼者に所縁の者の霊の言葉を伝えるという。
【ウタ】 琉球で口寄せを行う巫女のこと。
【口寄せ】 民間の巫女などが、死霊を呼び寄せて身に憑依させ、その家族などと会話させること。口開き、ほとけ口ともいう。死霊ではなく神霊を呼び寄せる場合は神口といい、一般に口寄せという場合はほとけ口を指す。また、同じ死霊でも死後百日を経ないものとそれ以上過ぎたものとでは、口寄せの作法は異なる。
【結界】(けっかい) 元来は寺院の堂塔・伽藍の区域を定めること。
[仏教]僧尼の過失を少なくするために一定の区域を制限することで、仏道修行の障害となるものの入ることを許さなかった。禁制という意で、女人結界など、比叡山や高野山などで、ある地点から女性の立入りを禁止する区域。
このことから、魔物を入れないために印を結び、真言を唱え、法力をもって境界を造る事をいう。
『花と火の帝』では、後水尾天皇を守るために岩介が結界をはったり、帝自らが結界を結ぶ様子が描かれている。
【類語】バリア(Barrier)。SF用語でサイコ・バリア(Psycho-Barrier)。
【護法】(ごほう)
密教や修験道などで行う憑霊の術法。修法により、不動明王などの仏と一体となり、その眷族を駆使し、悪霊を追い払うなどの行為。役行者が駆使した前鬼・後鬼などもこの護法によるとされる。
【呪禁】(じゅごん)
まじない・祈祷を行い、もののけなどを払う事。
まだ、祭祀を重んじて政事が行われていた時代、災害や飢饉、病気など災禍を齎す原因が現代のように解明されていなかったため、それらを齎すものを物の怪などの仕業として、それを退散させる呪法が重んじられた。これらの呪法を呪禁という。
【呪禁師】(じゅごんし) 令制で「典薬寮」に置かれた職員。まじないなどを掌り、病の治療などに従事した。
【呪禁博士】(じゅごんはかせ) 「典薬寮」に属し、呪禁を教授した。
【憑依】(ひょうい)
元来は依りすがり、依りどころなどの意。ここから霊などがのり移る事をいい、モノに憑かれるなどという意になった。
代表的な例に、狐憑き、悪魔憑きなどが有る。
[関連逸話]
矢作川にて妖物を拾ひ難儀せし事
宝暦のはじめにや、三州矢作の橋御普請にて、江戸表より大勢役人・職人等彼地に至りしに、或日人足頭のもの川縁に立しに、板の上に人形様のものを乗せて流れ来れり。子供の戯れや、其人形のやう小児の翫びとも思はれざれば、「おもしろきもの也」と取りて帰り、旅宿に差置けるに、夢ともなく「今日かゝりし事ありしが、明日は斯/\の事有べし。誰は明日いづれへ行べし」など夜中申けるにぞ、「面白きもの也。是は彼の巫女などの用ゆる外法とやらんにもある哉」と懐中なしけるに、翌日も色/\の事いひけるにぞ、始めの程はおもしろかりしが、大にうるさく厭ひおもひしかども捨んもまた恐しさに、所のものに語りければ彼者大に驚き、「よしなきものを拾ひ給ひけるなり。遠州山入に左様の事なす者ありと聞しが、其品拾ひ給ひては禍を受る事也」と云ひし故、詮方なく十方に暮て、「いかゞし可然哉」と愁ひ歎きければ、老人の申けるは、「其品を拾ひし時の通、板の上に乗せて川上に至り、子供の船遊びする如く彼人形を慰める心にて、其身うしろ向にていつ放すとなく右船を流し放して、跡を見ず立帰ぬれば其祟りなしと云ふ」由語りけるにぞ、大に歓び其通なしてはなし捨しとや。(『耳袋』巻之三)