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創作人物〈男性編〉
青蛙の藤左(あおがえるのとうざ) 影武者徳川家康
武田忍びの裔。フランシスコ会宣教師ルイス・ソテーロの下で、情報収集や工作など手足となって働く。麻袋に入れた青蛙を常に持ち、それを常食とする事からこの名がついた。ある時、秀吉を暗殺しようとして捕まり、四肢の指を全て切り落された上追放され、しぶとく生残るも雇ってくれる者もなく、自殺しようとした所をソテーロに諭されキリシタンとなる。特技は縄抜け。
青地 新左衛門(あおち しんざえもん) 影武者徳川家康
御所忍び頭領。
※木曽忍びの流れをくむ御所忍びは、帝の身辺警護を担った。
青柳 竜之進(あおやぎ たつのしん) 捨て童子松平忠輝
九鬼守隆の小姓。主君を裏切り藤堂高虎配下の伊賀者に通じる。
朝比奈 次郎右衛門(あさひな じろうえもん) 花と火の帝
阿善房。元聖護院派(本山派)修験者。朝比奈兵左衛門の父。
聖護院で修験者としての修行中、自らを天狗になったと思い上がり、何をしても許されると武家の娘咲女を攫って一子を産ませたことが露顕し、僧籍を剥奪された。以後、咲女を妻とし、妻子を連れて諸国を遍歴。その一子の名を兵左衛門という。(『花と火の帝』)
朝比奈 兵左衛門(あさひな へいざえもん) 花と火の帝
聖護院派(本山派)修験者朝比奈次郎右衛門の子。京都所司代家士。
自らの力を過信し天狗になったと思い込んだ父に育てられ、その父が立山で絶壁の上から空を飛ぼうと墜落死した後、野盗となって旅人に不動金縛りの術をかけてはその物品を奪って暮していた。そんな兵左衛門の前に現れたのが、果心居士だった。兵左衛門は果心居士の弟子となって、さらに術を磨いた。
人に目立たぬように振舞う達人で、その目で観たものを忠実に思い浮かべる事が出来るという能力の持主。当初は幕府側の密偵だったが、岩介との術比べで敗れた後、天皇の隠密として岩介等の活動に協力する。(『花と火の帝』)
朝山 蔵人(あさやま くらんど) 死ぬことと見つけたり
朝山将監の倅。
馬上筒で斎藤杢之助を狙うが失敗。鬼丸の宝琳院で再び杢之助に決闘を挑み親指を撃ち落され、いさぎよく自分の馬上筒を杢之助に与える。(『死ぬことと見つけたり』)
足助(あしすけ) 捨て童子松平忠輝
柳生の忍び。
阿善房(あぜんぼう) 花と火の帝
朝比奈次郎右衛門の修験者時代の名 → 朝比奈 次郎右衛門(あさひな じろうえもん)
荒二郎(あらじろう) 張りの吉原
新吉原の首代。西田屋の太夫総角の間夫となり、浄閑寺で自分の落し前をつけ自刃。
有賀(ありが) 死ぬことと見つけたり
浪人。皮道服を着し大火の江戸の町中を騎馬で徘徊。
《瓢水の『一話一言』》
[明暦の大火で暗躍した“有賀”とは?]
『死ぬことと見つけたり』で隆先生は、黒木喬『明暦の大火』(講談社現代新書)に拠りながら、江戸の市街整備を企図した松平信綱が本妙寺に火元を依頼したと推理した。そして、『関屋政春古兵談』を引用しつつ、混乱する市街で暗躍する“有賀”なる武士が信綱の配下であるとして物語を展開している。実は“有賀”なる武士の不審な言動も、黒木氏の著作で紹介された事柄であった。
“有賀”なる武士については『徳川実紀』にも記載がある。「神田の處士有賀藤五郎」が大火の折に不審な行動をしたため獄に下されたという内容だ(『徳川実紀 第四篇』吉川弘文館、211頁)。『関屋政春古兵談』に記された“有賀”は有賀藤十郎であるが、黒木氏は「服装などから見て、おそらく同一人物であろう(中略)しかし、有賀を犯人と見てよいのであろうか」「有賀は放火犯ではなく、本妙寺の出火を放火に見せかけるために派手に走りまわった工作員であったのではあるまいか」(前掲書、58‐59頁)と推理し、さらに松平信綱が本妙寺に火元を依頼したと考えた。隆先生は思わず膝を打ったことだろう。(2005年1月8日瓢水記)
内山 勘兵衛(うちやま かんべえ)
TV時代劇『江戸の鷹』の主人公。将軍直属の特命機関「お鷹組」の頭。
将軍家治の内命を受けた「お鷹組」が、さまざまな難事件に挑む。
大碇の五郎蔵(おおいかりのごろぞう) 鬼麿斬人剣
三国湊の博徒。
甲斐の飛助(かいのとびすけ) 影武者徳川家康
武田忍び。
甲斐の六郎の遠戚(大伯父)にあたる老忍び。お梶の方配下の忍びで、大御所(二郎三郎)の警備を担当する。
甲斐の耳(かいのみみ) 捨て童子松平忠輝
武田忍び。馬場八左衛門の下僕。
甲斐の六郎(かいのろくろう) (1567〜?) 影武者徳川家康
武田忍び。妻は風魔一族の長の娘おふう。おふうとの間に長男七郎がいる。
武田の忍びだった六郎は、武田氏が滅びると甲斐を後にした。山野をさすらい獣や川の魚を捕って暮らしていた。ある日、川で鯉を素手で捕っている時だった。偶然通りかかった島左近に目撃され、その見事な漁の腕が左近の興味を引き、六郎は左近に召し抱えられることとなる。とはいえ、六郎は何をするわけでもなく左近の家で時を過ごしていた。初めて六郎が呼ばれたのは関ヶ原の合戦でだった。「また獲物を捕ってきてくれ」左近がいう。その獲物とは内府家康公の首だった。
見事六郎は家康の暗殺に成功するが、影武者二郎三郎の働きで左近の西軍は敗走する。自ら傷を負いながらも重傷を負った左近を背負って逃げ延びた六郎は、左近とともに豊臣家を守るために残りの命を賭ける。それは影武者二郎三郎を守ることだった。(『影武者徳川家康』より)
覚妙(かくみょう) かぶいて候
鎖鎌を使う僧上がりのかぶき者。回向院裏での喧嘩で水野成貞に斬られる。
吉次(きちじ) 吉原御免状
勝山子飼いの船頭。
吉原を出奔した勝山は、柳生の手から逃れるために風呂屋の主五兵衛に姿を変え柳橋に隠れ住んでいた。その勝山の元へ誠一郎を導く役を吉次が勤める。
吉造(きちぞう) 鬼麿斬人剣
大碇一家の子分。
吉兵衛(きちべえ) かくれさと苦界行
西田屋の書役。
吉兵衛(きちべえ) 鬼麿斬人剣
丹波かやの里の者。
九右衛門(きゅうえもん) かくれさと苦界行
吉原首代。
金 悟洞(きん ごとう) 一夢庵風流記
明人。
対馬の宗氏に雇われた倭冦崩れの殺し屋で、慶次郎の命を狙うが失敗。逆に命を狙った相手に朝鮮の案内を依頼され、呆気に取られながらもそんな慶次郎の魅力に惹かれ案内人の役を引き受ける。以後、慶次郎一行に加わり捨丸と共に慶次郎に仕えた。
源(げん) 風の呪殺陣
東塔無動寺の飯炊き。
権吉(けんきち) 一夢庵風流記
尚州判官。
幻斎(げんさい) → 庄司 甚右衛門(しょうじ じんえもん)
耕作(こうさく) 死ぬことと見つけたり
馬方の頭。
五平(ごへい) 狼の眼
三国湊の貸元。
五兵衛(ごへえ) 吉原御免状
柳橋の風呂屋の主。勝山の騙り名。 → 勝山(かつやま)
才兵衛(さいべえ) 捨て童子松平忠輝
ましらの才兵衛。武田忍びの裔という才兵衛は、雨宮次郎右衛門の従者として家僕のごとく付き従っていた。本来、忍びは特定の主を持たないというが、かって次郎右衛門の父に命を助けられ、以来次郎右衛門の手となり足となって働いている。手先の器用な才兵衛は、独自に開発した飛び道具を武器としている。
坂上 与次右衛門(さかがみ よじえもん) かくれさと苦界行
幻斎の騙り名。
坂上 与次右兵衛(さかがみ よじべえ) かくれさと苦界行
坂上与次右衛門の子。誠一郎の騙り名。
佐野 兵庫(さの ひょうご) 影武者徳川家康
柳生兵庫利厳の騙り名。
佐平(さへえ) かくれさと苦界行
裏柳生。
猿丸 藤左衛門(さるまる とうざえもん) 捨て童子松平忠輝
才兵衛の借名。 → 才兵衛(さいべえ)
七兵衛(しちべえ) 鬼麿斬人剣
松本の鍛冶屋。
七郎(しちろう) 影武者徳川家康
甲斐の六郎の子。
重兵衛(じゅうべえ) 狼の眼
やくざの親分。
昇運(しょううん) 風の呪殺陣
『風の呪殺陣」の主人公。
「千日回峯行」中に織田信長の叡山焼打ちに遭遇した昇運は、信長の皆殺し(ジェノサイト)作戦に激しい怒りを覚え、立山に籠り長嘯によって死霊を呼び出す呪法を体得。信長に呪いをかける。
正吉(しょうきち) 鬼麿斬人剣
お伝の連れ子。
新(しん) 吉原御免状
自分の恋人が傀儡子女と知って、態度を豹変させたげす野郎の呼び名。
仁右衛門(じんえもん) かくれさと苦界行
山田屋三之丞直属の首代。
新太郎(しんたろう) 駆込寺蔭始末
おるいの子。
捨丸(すてまる) 一夢庵風流記
弟ともに捨てられていたのを、加賀忍びの頭領四井主馬の父に拾われ、下忍の下働きとして育てられる。捨丸の弟は、主馬の命令で松風を盗み出そうと数人の忍びと共に慶次郎宅に押込み、仲間は慶次郎に斬られ弟は松風に蹴り殺された。そして再び、金沢を出奔した慶次郎を襲うべく主馬は加賀忍軍を七里半越えの峠道で待伏せさせた。その一味の一人として、捨丸は慶次郎と松風を見張る役目をおっていた。
清兵衛(せいべえ) 捨て童子松平忠輝
伊賀忍び。柳生配下。
善右衛門(ぜんえもん) かくれさと苦界行
鉄砲州茶屋亡八。
宗兵衛(そうべえ) 一夢庵風流記
明国料理屋台商。金悟洞の中継ぎ。
太吉(たきち) 死ぬことと見つけたり
お勇の弟。
たけ 鬼麿斬人剣
陸奥山中で伊達藩の山廻り同心に一家を皆殺しにされ、みなし子となったたけは、盗みをしながら一人で生きてきた。放浪する彼は、中山道笠取峠で鬼麿に出会いつきまとう。途中、伊賀同心に捕まり、鬼麿襲撃の道具とされるが、人技とは思えぬ鬼麿の剣で救われ、以降鬼麿の同行者となった。
武田の骨(たけだのほね) → 骨(ほね)
太助(たすけ) 見知らぬ海へ
向井水軍の按針役。
立山(たてやま) 花と火の帝
朝比奈兵左衛門が一時身を寄せた寺で呼ばれていた名。
谷ノ坊 知一郎(たにのぼう ともいちろう) 風の呪殺陣
山門公人衆。
『風の呪殺陣』の主要人物。昇雲とともに信長のジェノサイトから逃れ、反信長勢力の門徒衆(一向一揆)らと行動を共にする。
谷ノ坊 良勢(たにのぼう りょうせい) 風の呪殺陣
谷ノ坊知一郎の父。
忠兵衛(ちゅうべえ) 鬼麿斬人剣
炭屋『だるま』主人。
趙(ちょう) 一夢庵風流記
殺し屋組織の助っ人屋。
長二郎(ちょうじろう) 影武者徳川家康
武蔵屋住み込みの手代。
長兵衛(ちょうべえ) 鬼麿斬人剣
高崎天神一家賭場の胴元。
沈(ちん) 一夢庵風流記
殺し屋組織の逃し屋。
藤左(とうざ) → 青蛙の藤左(あおがえるのとうざ)
東伯(とうはく) 花と火の帝
呪禁師。天性の霊能者。
飛助(とびすけ) 捨て童子松平忠輝
柳生の忍び。跳躍の術に長けている。
虎松(とらまつ) 鬼麿斬人剣
大碇一家二代目。
中野 求馬(なかの きゅうま) 死ぬことと見つけたり
『死ぬことと見つけたり』の主人公の一人。鍋島藩加判家老。
もう一人の主人公斉藤杢之助の親友。藩の枠をこえ自由奔放に武士の正義を貫く杢之助に対し、藩政の改革は、重臣にならなければ出来ないと、己を抑え重用される道を歩む。
馬(ば) 一夢庵風流記
殺し屋組織の調べ屋。
白(はく) 一夢庵風流記
殺し屋組織の支度屋。
白 玄理(はく げんり) 花と火の帝
シャムの刺客。
八右衛門(はちえもん) かくれさと苦界行
大坂新町藤乃屋の亡八。お藤の弟。
八右衛門(はちえもん) かくれさと苦界行
吉原江戸町二丁目九郎右衛門方の首代。
八兵衛(はちべえ) 駆込寺蔭始末
木曽忍び。木曽谷の足と呼ばれた駿足の持主。松が岡東慶寺の門前でせんべい屋を営み、麿とともに東慶寺の幼い住持玉淵尼を守る。
服部 京乃介(はっとり きょうのすけ) かくれさと苦界行
伊賀忍法の名人。伊賀服部一族。変化の術を得意とする。後水尾院暗殺に御所に押し入った柳生宗矩を迎え撃退、その後消息を断っていたが天草の乱で姿を現し、再び消える。時の権力(秀忠・宗矩)に逆らう憎き男としてマークされ、鳥取で「生き仏」として現れたところを宗矩の高弟荒木又右衛門に正体を見破られ斬られる。
服部 小平太(はっとり こへいた) 鬼麿斬人剣
かって清麿に煮え湯を飲まされた伊賀同心の頭領は、清麿への恨みを忘れていなかった。弟子の鬼麿が、清麿の数打ちの刀を折ろうと旅に出たことを知ると、手練の配下に鬼麿の後を追わせた。清麿に粗悪品の作刀があるならば、それを鬼麿に折られる前に奪い清麿の名声を貶めようという魂胆だ。服部小平太はその追手のリーダーだった。
肥前(ひぜん) 影武者徳川家康
原田市郎兵衛の名乗り。 → 原田 市郎兵衛(はらだ いちろうべえ)
兵助(ひょうすけ) 捨て童子松平忠輝
伊賀忍び。清兵衛の部下。
ひょっとこ斎(ひょっとこさい) 捨て童子松平忠輝
柳生忍び。惣代官大久保長安の下で働くひょっとこ斎は、侏儒のように小さな身体に背負った長刀を目にも止まらぬ早さで抜き、地面すれすれの処から素早い連続技の逆袈裟を繰り出す難剣の持主。長安の護衛をするとともに雨宮次郎右衛門との連絡役にもなり、次郎右衛門の従者才兵衛にライバル意識を持つ。ひょっとこ斎は長安のために情報収集をも行っているが、実は柳生石舟斎配下の柳生忍びでもあった。
風斎(ふうさい) 影武者徳川家康
風魔小太郎の父。
箱根山を本拠とする忍び集団風魔一族の長老風斎は、おふうの祖父でもある。晴れて夫婦になるため一族に会わせようとおふうは六郎を箱根山に案内する。その六郎を試すため風斎は六郎にさまざまな術で挑む。六郎はその攻撃を難無く交わし風斎は六郎を認めた。
【風魔一族】
風魔一族は大陸から渡来してきた一族だといわれ、一族の結束は固く容易に他所者を受け入れなかった。やがて箱根山に本拠を置き北条氏に仕えていたが、北条氏が滅びるとどこにも就かず山中での暮らしを続けていた。
『兵法・武術用語事典』「忍び」の項参照。
藤之屋 八右衛門(ふじのや はちえもん) → 八右衛門(はちえもん)
文吉(ぶんきち) 駆込寺蔭始末
飛脚。
変化の弥七(へんげのやしち) 影武者徳川家康
風魔忍び。
朴 義(ぼく ぎ) 一夢庵風流記
朴晋の弟。山中に住む伽耶(正しくは人編に耶)国王の末裔という伽姫を犯そうとして慶次郎にこっぴどくやられる。
朴 晋(ぼく しん) 一夢庵風流記
密陽府使。朴義の兄。
朴 仁(ぼく じん) 一夢庵風流記
朴晋の従弟。組織の殺し屋。
骨(ほね) 一夢庵風流記
武田忍び、刺客。
慶次郎に果し合いで殺された深見重太夫の弟重三郎に雇われた殺し屋。慶次郎を尾けている内に、いつしか慶次郎の魅力に惹かれる。慶次郎の行く手にしばしば現れ、慶次郎に助力したり情報をもたらしてくれるようになる。
ましらの才兵衛(ましらのさいべえ) 捨て童子松平忠輝
「ましら」は猿という意。 → 才兵衛(さいべえ)
松永 誠一郎(まつなが せいいちろう) (1632〜?) 吉原御免状、かくれさと苦界行、わが幻の吉原
『吉原御免状』『かくれさと苦界行』の主人公。
寛永9年、京で生まれた誠一郎は生後僅か13日目で母を失う。母子もろとも刺客の手に掛かる所だった誠一郎は、通りかかった武蔵に救われる。その後、肥後山中で武蔵に育てられた。武蔵没後、肥後藩士寺尾孫之丞に預けられ、25才まで熊本で過ごす。明暦3年、吉原に庄司甚右衛門を訪ねるべく江戸へ。この時、齢26才。
明暦四年、庄司家の養子となり、西田屋三代目庄司又左衛門を名乗り、吉原五丁町の惣名主となる。
真人(まひと)
インド人の呪禁師。岩助の修行時代の先輩。最初、幕府側の刺客だったが、後に岩助の協力者となる。
麿(まろ) 駆込寺蔭始末
木曽忍びの流れを汲む御所忍びの元頭領。
三国屋 卯太郎(みくにや うたろう) 駆込寺蔭始末
三国屋 卯之助(みくにや うのすけ) 駆込寺蔭始末
三国屋 卯兵衛(みくにや うへえ) 駆込寺蔭始末
美鈴(みすず) 風の呪殺陣
耳助(みみすけ) 吉原御免状、かくれさと苦界行
遠聴の達者で消炭と呼ばれる吉原者。消炭という呼称は、寝ていてもすぐに起きることから付けられたという。
耳助(みみすけ) 捨て童子松平忠輝
柳生の忍び。遠聴の達者。
村井(むらい) 駆込寺蔭始末
小田原藩士。
弥七(やしち) 吉原御免状
庄司甚内の番頭。
弥助(やすけ) 影武者徳川家康
風魔衆。変化の弥助と呼ばれる変装の達人。
弥助(やすけ) 一夢庵風流記
神谷宗湛が慶次郎に付けた朝鮮の案内人。
弥助(やすけ) 見知らぬ海へ
向井水軍の水夫。
やぞう 捨て童子松平忠輝
山窩の長。
弥平次(やへいじ) 影武者徳川家康
風魔の草。
山平(やまへい) かぶいて候
水野成貞の槍持ち。
与作(よさく) 駆込寺蔭始末
上総国の庄屋。くにの父。
竜光(りゅうこう) 花と火の帝
台密系のはぐれ修験者。
六助(ろくすけ) 死ぬことと見つけたり
六郎左衛門(ろくろうざえもん) 花と火の帝
八瀬村長。
世良田 二郎三郎
世良田 二郎三郎(せらた じろうさぶろう)(1543〜1616) 吉原御免状、影武者徳川家康、柳生刺客状
元信。幼名国松、後に浄慶。父親は加持祈祷を世すぎとする漂泊の徒江田松本坊。
もの心つく頃には両親はなく、祖母に育てられるが、七歳の時、いじめっ子を刺し無縁寺智源院に入る。以後おばばとも別れ天涯孤独となる。それでも二年間は智源院の和尚に育てられ学問も教えられていたが、殺生禁断の寺で小鳥を獲った国松は、その智源院をも追われ人買い又右衛門により願人坊主酒井常光坊に売られる。それから十年、常光坊の下働きとしてこき使われることとなった。やがて常光坊も元を離れた国松は、二郎三郎と名乗り各地の紛争に傭兵として糧を得る野武士となる。三河一向一揆に雇われた時に、同じ一揆衆として戦っていた本多弥八郎と遇い、共に戦うこととなった。このことが二郎三郎の運命を決めたと言っても良いだろう。二郎三郎は弥八郎の主家康と瓜二つだったのだ。
正信は天海を通じ二郎三郎を家康に会わせた。こうして家康の影武者となった二郎三郎は、家康とともにいること十年。二郎三郎が影武者の役目を終える時は、家康の身替わりとなって死ぬ時か、家康が天下を治めた時だった。その家康に、ようやく天下を取る好機が巡ってきた。「この戦に勝てば、オレの役目も終る」二郎三郎は家康が陣した桃配山で、己の生きざまと懸離れた影武者暮しにようやく別れをつげられると内心喜ぶ。だが皮肉にも関ヶ原で刺客の手によって殺されたのは家康本人だった。
この世良田二郎三郎元信は、徳川家康の影武者として隆慶一郎が創出した人物だが、そのモデルは家康自身である。生い立ちなどは村岡素一郎の『史疑徳川家康事蹟』で家康の幼少の頃の逸話として書かれている説を二郎三郎のものとして取り入れ、名は今川家の人質となった竹千代(家康)が、今川家で元服し松平二郎(次郎)三郎元信と名乗ったものを使用した。また、姓の世良田は、家康が源氏姓を新田氏の系図から取って徳川と名乗った事からきており、その新田氏が徳川(得川)と同時に世良田をも名乗っている事からきている。言い替えれば、徳川家康も世良田二郎三郎元信も同一人物の名と言える。
〈女性編〉
あい 花と火の帝
おあい。霧隠才蔵の恋人。長崎の唐物屋の娘。山口の出身で、そこでキリシタンとなる。
一家は長崎に出て成功した。あいが12才の時、教会で漂泊中の才蔵と逢う。才蔵19才の頃だ。その後、あいは才蔵といつも行動を共にする。慶長十年(1605)夏、あいの一家は才蔵を伴って故郷山口に帰省した。宿は「盲目のダミアン」と名高い熱心な信者の家だったが、逗留中、そのダミアンがキリシタン嫌いの毛利輝元に捕まり、切り殺されるという事件が起る。その現場を目撃したあいは思わず声を上げ、奉行所の役人に見付かり役人の投げた槍を胸に受けた。供をしていた才蔵がそれらの役人を皆殺しにしようとするが、あいはそんな才蔵を止めた。才蔵は手当てをしようと医者の元へあいを運ぶが、その甲斐もなくあいは才蔵の腕に抱かれて息を引き取った。(『花と火の帝』より)
愛(あい) 死ぬことと見つけたり
お愛。中野求馬の妻。斎藤杢之助の幼馴染み。
うめ 花と火の帝
おうめ。岩兵衛の長女。岩介の姉。
うめ 駆込寺蔭始末
おうめ。
梶(かじ) 死ぬことと見つけたり
お梶。長崎丸山の禿の名。華扇。
かつ 駆込寺蔭始末
おかつ。木曽忍び。
八兵衛の妻。耳と呼ばれる遠聴の達者。
かね 駆込寺蔭始末
伽姫(かひめ) 一夢庵風流記
伽耶王国の末裔。
半島に渡り東莱府を出立した慶次郎一行は、なんとも麗しい琴の音に惹かれ山中に入る。その琴の音の主が、山中の草庵にひっそりと住む伽耶王国の末裔という美しい伽耶姫だった。しかし、その音に惹かれてやってきたのは慶次郎たちばかりではなく、別の男達が慶次郎たちよりも一足早く押し入っていた。慶次郎たちが到着する頃、彼等はまさにその姫を手篭めにする寸前だった。彼等は密陽都護府長官の弟という権力を振りかざす荒くれ者で、もっとも慶次郎が嫌うタイプの人間だ。当然のごとく慶次郎にこっぴどく叩きのめされ、ほうほうの態で逃げ帰った。その危難を救われた伽耶姫は、慶次郎に惹かれ行を共にする。やがて二人は愛し合い、同行の者たちの目も憚らぬ仲となった。(『一夢庵風流記』より)
きぬ かくれさと苦界行
安房国の海女。
きぬ 柳生非情剣
太平の娘。
京(きょう) 一夢庵風流記
お京。下女。
伽姫の身の回りの世話役。
国(くに) かくれさと苦界行
お国。尾張屋清六の妻。
くに 駆込寺蔭始末
庄屋与作の娘。
くま かくれさと苦界行
利兵衛抱えの娼婦。
こよ 駆込寺蔭始末
小太夫(こだゆう) かくれさと苦界行
鉄砲州築地茶屋善右衛門方の茶立女。お小夜の騙名。→ 小夜(さよ)
『青楼年暦考』には、
○万治寛文に至り、江戸端々に茶や遊女発興す、是ハ大方明暦年中御停止被レ為2仰付1候風呂屋共、品を替て茶たて女と称し、大勢抱置、依而吉原殊之外衰微いたしたり、然間江戸町二丁目名主源右衛門ヲ棟梁とし、御奉行所村越長門守様渡辺大隈守様へ御訴訟申上、急度証拠を取置、遊女大分有レ之候故、小道具ヤ九右衛門を買上に遣し置、寛文三卯十一月廿六日夜、吉原より町人十八人船にて参り、并鉄砲洲三崎築地之茶屋町善右衛門と云者抱の遊女小太夫捕へ、并主人善右衛門、其外遊女三人迄捕、御番所へ召連申候、彼所の者大勢申合出合、長道具刀大脇差を抜て手むかひいたし、捕候遊女奪ひ取、吉原二丁目仁右衛門追かけ、又此方へ取かへし候、此節吉原角町権治郎召使之男、左の手首を切落され、江戸町二丁目九郎右衛門家来八右衛門手疵負申候、其内跡より吉原年寄共人足五十人遣候故、茶屋の者引取申候、
とあり、大坂新町傾城屋の娘お小夜こと小太夫は、実在した茶立て遊女小太夫をモデルにしている。またここの記述が、『かくれさと苦界行』の「けいどう」の項に取り入れられ、太字部分を骨子として作品の重要なモチーフの一つとなっている。
また、小太夫は大坂新町木村又次郎抱えの太夫の名でもある。『色道大鏡』に、本名(諱)を明子といい、禿名を須美、正保二年太夫職になった「小太夫」の記述が有る。
咲(さき) 影武者徳川家康
お咲。風魔女忍び。
おふうに替わって大御所の警護をする。
咲(さき) 死ぬことと見つけたり
お咲。馬方耕作の妻。
咲(さき) 花と火の帝
咲女。朝比奈兵左衛門の母。
小夜(さよ) かくれさと苦界行
お小夜。小太夫の本名。
しゃぶ 吉原御免状、かくれさと苦界行
おしゃぶ。庄司甚之丞の娘。母は庄司甚右衛門の娘なべ。
おしゃぶが持って生まれた才能は人の心を読み、遠く離れた所の異変を察知し、未来を予知する能力だった。まだ子供の歳に誠一郎に会ったおしゃぶは、誠一郎と結ばれることを知る。それから彼女は、誠一郎の一挙手一投足を見守り続ける。(『吉原御免状』)
清(せい) 吉原御免状
お清。傀儡子女。庄司甚内(甚右衛門)の妻。
向坂甚内の女だったが、天の声で庄司甚内の元に転がり込み、夫婦となる。
せき 影武者徳川家康
二郎三郎と馴染みになった宿場女郎。
三河一向一揆に参加。
せん かくれさと苦界行
おせん。大坂新町の遊女。
誠一郎の敵娼。
せん 死ぬことと見つけたり
おせん。西田屋の端女郎。
杢之助の敵娼。
仙(せん) 影武者徳川家康
お仙。おふう配下の女忍び。
仙(せん)鬼麿斬人剣
お仙。かやの里の女。
栖川宮のご落胤として生まれるが、京島原の女郎屋に売られ、仙千代として郭にいたのを清麿によって足抜けし、里に逃げ帰った。
仙千代(せんちよ) → 仙(せん)
竹(たけ) 捨て童子松平忠輝
雪の妹。傀儡子女。
智江(ちえ) 鬼麿斬人剣
岡島惣兵衛の妻。
伝(でん) 鬼麿斬人剣
お伝。お仙(仙千代)の父の後妻。
とら 花と火の帝
八瀬の村長六郎左衛門の一人娘。
岩介の幼馴染みで、岩介同様異能者としての能力を持つ。岩介が十年の修行を終えて帰ってくると夫婦となる。
野狐のおよう(のぎつねのおよう) 影武者徳川家康
いたちの平吉の妻。
はな 花と火の帝
岩兵衛の妻。
ふう 影武者徳川家康
おふう。風魔小太郎の娘。甲斐の六郎の妻。
家康の側妾お梶の方に仕える女忍びおふうは、二郎三郎を見張っている時に同じ陰で働く六郎に会う。二人の役目は陰ながら二郎三郎を守ることで、同じ目的を持った二人はやがて惚れあうようになった。おふうは六郎の背後を守って二人の息はまさにぴたりと合っていたが、妊娠で現場を離脱。その後、六郎が敵の攻撃で片腕を落とすことになり、おふうは自分の離脱を悔やむのだった。
ふう かくれさと苦界行
おふう。誠一郎の長女。
牧(まき) 鬼麿斬人剣
お牧。松本の鍛冶屋のおかみ。
万(まん) 捨て童子松平忠輝
お万。傀儡子の女。
むめ 駆込寺蔭始末
甚五兵衛の娘。
むら 駆込寺蔭始末
おむら。うめの母。
勇(ゆう) 死ぬことと見つけたり
お勇。馬方耕作の娘。斎藤杢之介の妻となる。
ゆき 花と火の帝
岩介の子。
雪(ゆき) 捨て童子松平忠輝
傀儡子の娘。忠輝の最初の女性となる。
蘭(らん) 風の呪殺陣
お蘭。
りん 鬼麿斬人剣
おりん。女忍び。
幕府隠密同心の一つに伊賀同心がある。その頭領の末娘おりんは、十三年前に清麿を追跡し刺殺に失敗した仲間の一人が書き残した報告書を携えて、服部小平太の一行を追っていた。下諏訪まで鬼麿や仲間の足跡を追ってきたおりんは、先回りして野麦峠のお助け小屋で小平太の一行を待っていた。だが、そこに現れたのは追う相手である鬼麿たちだった。おりんは鬼麿に惚れ、以後、行動を共にする。
るい 駆込寺蔭始末
おるい。
れん 吉原御免状、かくれさと苦界行
おれん。局見世の遊女。
お館さまの敵娼となり、誰も相手にできないと思われたお館さまを受け入れる。(『かくれさと苦界行』)
【局見世(つぼねみせ)】
切見世ともいい、小見世などで年季の明けた遊女が里を出ず、さまざまな理由でお歯黒溝の両河岸で店を張っていた。この切見世を百文河岸、鉄砲見世ともいい、いわば色里の最下級の遊女たちだった。とくに左岸は羅生門河岸といわれ、道行く客の袖を掴むと離さなかったといわれていた。この羅生門河岸で見世を張っていたのがおれん。

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